ふたり。
それは可愛い女の人と陸が写っていた。
陸は後ろから女の人を抱きしめていた。
たぶん、陸の彼女だ。
やっぱり私は陸が好きだ。
でもきっと叶わないだろうな。
私は深いため息をついてジッポを陸のスーツに戻した。
「なにしてるのー?」
私は全力で笑顔を作った。
陸は全く返事を返してくれない。
たぶんこんな夜中に料理を作っている。
香ばしいにんにくのにおいが心なしか漂っている。
私はシャンパンが乾いてベタベタになった髪がそろそろ気になりだしていた。
私は煙草の火を消すとブラを着けた。