ふたり。
私はなんだか恥ずかしくなって車の窓を開けた。
冷たい風が入ってくる。
車はいつもと違う道を走っていた。
「どこ行くの?」
陸は上機嫌に口笛を吹いていた。
「んー。内緒」
そういって私の髪を撫でた。
「結局、なんの教科なの?」
私はポケットから煙草を出した。
「国語。古文漢文」
私はあまりに真面目な顔で答える陸の耳をひっぱた。
「嘘。あんたが国語なんてできるわけないじゃん」
私はカバンからライターをだして煙草に火をつけた。