ふたり。
「お前ライターなんだ」
そう言うと陸は自分のポケットからジッポをだした。
「なに?自慢?」
私は陸からジッポを奪った。
ジッポの裏にはやはり楽しそうに笑う陸のプリが貼ってあった。
「別に、それもらい物だしね」
陸が私の手からジッポを取ると大事そうにポケットに直した。
「明日、学校いこうかな」
私はそういって下を向いた。
「うん。それがいい」
陸はそういって私の髪をクシャクシャした。
この手に触れられるとなんだか癒される。
私は運転する陸の横顔に煙を吐いた。
「それ俺にしかするなよ?結構お気に入りのしぐさなんだ」
陸がそういって微笑んだ。