ふたり。
「さぁね。陸だって私以外の女の髪撫でないでよ」
私は冗談交じりにそう言った。
「さぁね」
陸の不敵な笑みが私の心を掴んで離さなかった。
陸はそのまま車を走らせて大きなデパートに車を止めた。
「買い物?」
「夜ご飯の材料。なんか食べたいのある?」
「チーズフォンデュ!!」
「分かった。てか待ってるの?」
「ついて行っても迷惑じゃないなら行く」
「迷惑?なに今更謙遜してんの?」
陸がゲラゲラ笑う。
陸は本当によく笑う男だと思った。
「行く」
私は車のドアを力いっぱい閉めた。