ふたり。
そんな事を考えていたら自然と涙が出てきた。
叶わない恋なんて初めてで、こんなに胸が苦しくなるなんて知らなかったよ。
こんなに近くにいるのにとても遠い存在のような気がする。
それでも一緒にいたいから。
誰かの変わりでもいい。
私から離れていかないでよ。
車に戻ってきてから1時間くらい経っていた。
だんだん気温が下がってくる。
「寒いよ。陸ー早く帰ってきて」
私は運転席に座ってシートに顔をうずめた。
涙は一向に止まらない。
こんな思いしたくなかったよ。