ふたり。
男は私を車までエスコートした。
「乗って」
車に乗ると男がドアを閉めた。
男がおもむろに車を発進させた。
「なんで私なの?私、まだ餓鬼だよ?」
私は男と話す数十分の間に彼のもつ独特のオーラに魅了されていた。
「なんだだろね。俺、お前みたいな餓鬼タイプじゃねぇよ」
そういって男は鼻歌と歌いだした。
私はどこに連れて行かれるんだろうか?
車は止まることなく走る続ける。
たまに信号で止まる度に男は私の髪を撫でた。