ふたり。


「凛。俺と付き合ってください」

陸の瞳がまっすぐ私を捉える。
私の目から大粒の涙がこぼれた。

言葉がでない私に陸の腕が私を優しく包んだ。

「なんで俺の腕がでかいか知ってる?」

私は首を横に振った。

「お前のこと丸々包み込むため」

そのまま私は陸の胸で泣き続けた。

陸は煙草を吸いながらそんな私の頭を撫でた。


「もうそろそろ返事聞いてもいい?」
陸は泣き止んだ私に笑いかけた。

「だって陸の腕が大きいのは一度にたくさんの女抱く為でしょ?」

「なんでだよ。俺、意外と硬派だよ」
陸は私の頭を軽く叩いた。


「俺はお前に会って今まで中途半端してた女にビンタされに回ったし、一日中頭の中は凛でいっぱいなの!!」
< 32 / 36 >

この作品をシェア

pagetop