ふたり。


「ジッポの可愛い女の子は?」
私は陸を睨みつけた。

陸は黙り込んで下を向いた。


「あれは、元カノ。去年死んだよ」

陸は力なく笑った。
私はそんな陸になんて言葉をかければいいか分からなかった。

陸が床に落ちていたジッポを拾って裏返した。

「ごめん。私、彼女だと思ってた」


「忘れたくて必死だった。でも凛の方が大事になった。完全に忘れろって言われたら無理だけど、今は凛を幸せにしたい」

陸はどこかから小さな箱を持って来た。

そしてそれを私に渡した。

「開けて」
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