ボクノキモチ




次の日、
教室に着いた途端
部活仲間の三浦淳に声を掛けられた。




「おい、裕太。
お前昨日のサッカー部の
オフの日に限って
良い事あったそうじゃんかよ。」



「は?何だよ。」




淳はやけに楽しそうだった。




「お前さ、南に告られただろ。」



・・・南?




「誰それ。」



「は?裕太に告白してきたやつ居ただろ?」




ニヤニヤしながら僕の肩に手を置く。



・・・あいつか。




「俺、ビンタされた。」




「え・・・ま、あいつプライド高そうだし。
なんと言っても、学年一モテんだぜ?」





どうでもいいし。



「興味ない。」



そう言うと、淳はやけに手に力を込めて言った。




「付き合ったら良かったのに。」




「あのさ。」




僕の突然の言葉に手を離した。





「恋愛って、そんなに楽しいわけ?」




一瞬、淳がキョトンとした。



でも、すぐ我に返って




「え。そんなん、楽しい事だらけじゃん。
ま、俺は彼女とラブラブだしー。」



・・・本当馬鹿。




「あ、今裕太、俺のこと馬鹿って思っただろ。」




「そこは分かるんだ。」




そう言って、笑い合う。


あぁ。



淳とか、男同士だったら楽なのになあ。



そう思って、ため息をついた。


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