もう一度




それで、一緒に学校行きました。





…一緒にって言っても、龍哉は歩幅を合わせようとはせずあたしの数メートル前を歩く。





まったくこの男は。





けれど、学校の校門まで来たときなぜか龍哉が立ち止まった。





「行かないの?」





尋ねてはみるが、龍哉は眉間に皺をよせて何かを考えているらしい。





「よしっ。」





何かを吹っ切ったように、龍哉は歩き出した。








あたしの手をとって。





< 56 / 75 >

この作品をシェア

pagetop