光の翼【編集中】
「ちょっとでも、早く上手くなりたいんよね。そのための時間はいくらあっても足りないって感じ。」
「うん。私も。」
「よしっ!!帰って練習練習!!」
「おぅ!!」
「じゃあ、また後で!!」
「うん。」
改札口で、莉衣子と分かれる。
ホームで電車を待ちながら、台本をめくる。
口の中で、今日の稽古で上手くできなかった台詞を反復する。
もらったダメだしを頭の中にリピートさせながら。
何度も何度も。
ふと顔を上げると、反対側のホームにいる莉衣子も、台本と向かい合っていた。
【ナナ】を演じきること。
それが、私の夢への一歩。