光の翼【編集中】
「ごめん、莉衣子。今のところ、もう一回お願いっ。」
「分かった。」
夕飯の後、莉衣子とお互いの台詞の確認をしあう。
私は莉衣子以外の台詞を、莉衣子は私以外の台詞を読んで、それに合わせる。
台本を持ったまま稽古をしていると、どうしても台詞を追うことに気を取られてしまう。
今日のダメだしも、そこから来るものだった。
役の気持ちよりも台詞を追うことに必死になってしまって。
だから、一刻も早く台詞を覚える。
これが今の私の目標。
プルルルルルル…♪
携帯の着信音。
メールじゃなくて、電話の方。
着信元
桐野颯太。
いわゆるお隣さんだからか、颯太とはお互いの携帯を知っているけれど、電話をすることは少ない。
せいぜい、メールぐらいだ。