光の翼【編集中】
「それに…」
真面目な顔つきで、颯太は続ける。
「…それに?」
「光梨に出てもらうんやったら、同好会のじゃなくてちゃんとした俺の作品で、出てもらいたいし。」
「え…?」
「だって、俺の夢のきっかけは、光梨やからな。」
「…それ、初耳。」
「初めて言ったし。
…ほら。光梨、女優になるって言ってから映画とかよく観るようになったやん?」
「うん。」
女優になると決めたあの日から、いろんなドラマや映画、舞台を意識するようになった。
今まで、何気なく観ていたものが、急に輝いて見えて。
夢中になっていくつもの作品を観た。
「颯太、絶対『ちょうど俺もそれ観たかってん。』って言って一緒に観てたよね。」
おかげで、観終わった後は二人で存分に感想を言い合うことができた。
本当は一人で映画館に入るのは勇気がいったけど、颯太が一緒でその不安はなくなった。