光の翼【編集中】
いつだっただろう…?
それが、颯太の夢になったのは。
いつものように、二人一緒に映画を観た帰り道だった。
『…俺、映画作る人になりたい。』
突然に、颯太が言った。
小さな声だった。
だけど。
凛とした、強い声だった。
「…光梨と一緒に映画を観てるうちに思ったんよ。
映画の中の世界って、作り物っていうか嘘の世界やん?…SFとか、ホラーとかファンタジーとかは現実にはありえへん世界やし。
でも、映画は、観てる人の中で嘘を本物に変えることができるんやな、って。」
「うん。」
「光梨が演劇に夢中になったんが、ちょっと分かる気がした。
「だから、映画観るきっかけをくれた光梨が、俺の夢のきっかけ。」
「…そっか。ありがと。」
「お礼言われるようなことなん?」
「うん。なんか、嬉しい。」