光の翼【編集中】
「…そういえばね。この間颯太が貸してくれた雑誌あったやん?」
「『STAGE』のこと?」
「うん。」
「あれが、どうかしたん?」
颯太が、最後のひとくちを食べ終える。
「あの後ね、…オーディション、受けてみた。」
「そうなんや。」
莉衣子といろいろ話をして。自分なりに考えて。
やっと夢に向かって進み出すことができた。
夢は、みているだけじゃ叶わない。
前に、進んで行かなくちゃ。
「映画のキャストオーディション。『光の雨』っていう関西限定の単館映画なんやけどね。」
「うん。」
映画、『光の雨』。
夏の京都を舞台にした、青春群像劇。
夢へと動き出した、私の最初の一歩。
何回も何回も下書きを繰り返して、納得いくまで志望書を書き直した。