光の翼【編集中】

「おはよ、莉衣子。」

「光梨。おはよ、いよいよやね。」

「うん。」


駅で莉衣子と待ち合わせをして、バス乗り場へと向かう。

今日から1週間。

演劇部強化合宿が始まる。


「今年は一緒にコンクール組やね。」

「うん。なんか緊張するなぁ。…コンクール組の練習ってどんな感じ?」


毎年一回、実力強化のために行われるこの合宿は、コンクール出場組と基礎力強化組に分かれて練習が行われる。

去年は、私が基礎力強化組で莉衣子がコンクール組。

莉衣子は、小さな役だけど、1年生から選抜で配役されていた。

時々見えるコンクール組の練習風景が、すごくうらやましく見えたっけ。


「午前中は基礎練。午後からが台本稽古で、抜き稽古と通し稽古。抜き稽古は何箇所かに分かれてやるときもあるから、ほとんど休む暇なんてない感じかな。」

「そうなんやぁ。」

「光梨、この間褒めてもらってたし、大丈夫だよ。」


不安な私の表情を読み取ったのか、莉衣子が励ましてくれる。


「…だといいけど。」

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