光の翼【編集中】

「光梨は頑張ってる。だから、役に選ばれた。…違う?」

「…。」

「年に1回のコンクールなんやろ?」

「うん。」

「その大舞台で、大事な役に選んでもらったってことは、ちゃんと認められてるってことやん。

期待されてるんやと思うで?」

「…うん。」


颯太の言葉が、私に勇気をくれる。
弱音なんて、吐いてる場合じゃない。

私の目標は、もっと高いところにある。


「颯太。」

「何?」

振り向く颯太の顔が、夕日を浴びて赤い。


「…ありがと。…弱音タイム、終わりっ!」

私も、勢いよくブランコから飛び降りる。


「やっぱり光梨はこうでないとな。」

「うん。…帰ろっ!お腹すいた。」

「そうやな。」


見上げた空には一番星。
もうすっかり暗くなっている。

並んで歩く影は、いつの間にか空の黒に吸い込まれていた。

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