隣の山田君

イジメられていた―


「この線で捜査を進めよう!

 まずは、塚本に話を聞こう。」


警察官はそう言いながら足早に

職員室を出て、

塚本を探した。


教室に入り、


「塚本君―」


名前を呼んだが、返事がない。

隣の席の女の子が


「さっき外に出て行きました。」


と告げた。


「ありがとう。行きそうな場所は分かるかな?」


警察官の言葉に私達は皆首を横に振った―

塚本君…逃げて!

私達はいつの間にか応援していた。

変なところで発揮するクラスの団結力―

みんな心の中では塚本君がイジメただなんて思ってはいなかった。

いや、思いたくはなかった。
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