隣の山田君

「何て?

 何て書いてあるの?」


私は1秒でも早く内容を知りたかった。


『お母さん・お父さんへ


 僕は意志が弱い子です。

 明日、死のうと思います。


 お母さんに何度も相談しようと思った…

 でも、出来なくて…。

 先生に話したら…

 とか、学校に文句言いに行ったら…

 とか、考えたら言えなかった。

 学校に知れたら、イジメはもっと酷くなる。


 だって、相手は先生なんだから。


 毎日毎日、僕を放課後暗い部屋に連れて行って

 棒でお腹を殴るんだ…

 みんなの前では優しい仮面を被った鬼教師―

 僕以外に犠牲者を出さない為にも、


 先生を死刑にしてください。


 僕は弱いから、

 戦えなかった…。


 短い人生だったけど、

 僕は新しいお父さんにも出会えたし

 初めて塚本君と言う友達も出来た。

 それだけで、満足だよ―』
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