涙空
「……、はあ」
寝汗が酷い。じっとりと背中に汗をかいていた。
ぞくりと、冷たすぎる何かが背中を舐めるような錯覚に襲われる。
「……、」
何度目だろう。最近、いつも見るあの夢。もう嫌になる。
纏わり付くなにかを振り切るように、ぶるぶるとかぶりを振った。
「……、6時」
携帯を開けば、待受に表示される時間は早朝、6時をすこし回った頃で。
いつもより少し遅い起床は、清々しさの欠片も無かった。
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