涙空



「……あ」




そこで、部屋の中、冷たいフローリングを行き来していた足が止まる。

―――――弁当、作ってない。




「…起きるの遅かったからなあ。…もう時間ないか」




壁にかけられた時計を見遣る。もう30分も経ってる。

仕方ない。今日は売店でなにか買えばいっか。

溜息を大袈裟に吐き出した。やっぱり、今日はどこか気持ちが曇ってる。



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