涙空
呆れたように、頬杖をつくりながら怜香が私に向かって笑った。
だって仕方ない。それが私で、郁也なんだから。
「そう言う怜香はどうなんですか。夏樹君と喧嘩したりしないの?」
「あたし?」
「うん」
怜香と夏樹君って、どうなんだろう?付き合ってるのはわかるけど、どう付き合ってるのかはわからないな。
なんか、予想も想像もつかない。
「喧嘩ってほど喧嘩はしないかな」
「してるところの想像もつかないけどね」
「全くしないわけじゃないよ」