涙空



ちらりと窓の外、どこか浮き足立つような空を見上げた。

――――放課後の、この空の雰囲気は、嫌いじゃない。




***


「…怜香ってさ」

「…なに?」




アスファルトの上を二人で歩いていると、

隣にいた夏樹が何気なく口を開いた。それに軽く返す。

見上げれば、夏樹は何を考えてるのかわからない表情を晒した。



…なんだろう。
今更になって、胸がざわざわとざわつく。



< 164 / 418 >

この作品をシェア

pagetop