涙空
本音を吐き出す場所
やっぱり、おかしい?
郁也に、いつまでも言わずに笑いかけるのは、いけない?
そこにあった逃げ道をひたすら走っていた私の前に、ずんと立ちはだかった、【隠し事】という名前の壁。
そうか。…私は、隠し事をしているのか。
「…、」
そう理解したところで、私が口を開かなければ、郁也の表情は変わらないことくらいわかってる。
だから、悩む。
言っていい?言って、郁也は私を拒絶しないでいてくれる?
ああ、私って重い。
ずっしりと郁也にしがみつく。郁也、ごめん。
でも不安なんだよ。これを話したら。郁也は私を拒絶するんじゃないかって。
「…、」