涙空
「…手のかかる娘だよ、本当」
ぼすん、音が聞こえる。すぐ隣に、座ってきた。
「ちょ、」どかっと座ってきたお父さんに視線を向ける。
「ちょっと、狭いんですけど」
「なんだよ反抗期か?」
「どいてよ」
「疲れたんだよ」
「あっち座れば良いじゃん!」
言いながら、さっきまでお父さんが座っていた椅子を指差す。
狭いし。ていうかなんで隣に来るのかがわからない。
「…今回の件はさ、由奈も佳奈のこと、考えて頼んだんだよ」
「…え?」