涙空




―――― や っ ぱ り 此 処 を 通 る べ き で は な か っ た 。



    な ん て 。


そ ん な の 今 更 だ っ た け れ ど 。






『いや、さっき同僚に聞いたんだけどさ』

「なに?」

『最近ここら辺でさ』





お父さんの声がなんだか遠い。



なぜか冷や汗が背中を伝う。……嫌な、予感がする。


そう思ったときに、視界の端に入った、





『――――飲酒運転かなにかで、連日事故起こしてる轢き逃げ犯がいるらしいから、今外にいるなら、気をつけろよ』





不安定に走り寄る、大型のトラック。





「―――っお母さん!」



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