涙空



どうしよう。どうすればいいの。

涙が止まらない。



お母さんが、いなくなってしまった。目を、開いてくれなくなってしまった。

「――――佳奈」その名前を呼んでくれた声が、聞こえなくなってしまった。




死んで、しまった。
私が、殺してしまった。

込み上げてくるものが全て、嗚咽と涙と後悔に変わる。吐き出しても吐き出しても、終わりがなくて、辛い。




「っ、ごめんなさい、お父、さん…!ごめんなさい…!ごめんなさい!」

「佳奈、やめろよ」

「ごめんなさい…!」




泣き叫ぶ私は、気が狂ってしまったんだろう。



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