涙空
悲しくないはずがなかった。自分はまだ中学生、所詮、子供。
親が一人いなくなってしまった穴。そう簡単には埋めることなんて出来ない。泣かないはずがなかった。
「…、」
その写真を見てるだけでも、辛いと思う。
静かに込み上げて来る罪悪感を隠すように、写真に背中を向けた。
***
「……」
外に出たのは、いつぶりだろう。
通学路を歩きながら、ふと思ったのはそんなことだった。
何一つ変わらない景色だったけど、どこか寂しげに見えた。
なんでかな。…悲しんでるように見えるのは、私だけなんだろうか。
そこで、自分の足元へと視線を落としていった。
込み上げてくる不安があった。