涙空
疑問符を浮かべる私。
…それは、なにに対しての謝罪なんだろう。わからずにいる私に、また怜香が口を開いた。
「…あたし、凄く無責任だった。…ごめん。あんなこと言わなければ、良かったのに。…っ、ごめん、佳奈」
「…、」
そこで、理解した。
怜香が言った【あんなこと】。それは多分、…保健室でのことだと思う。
「…怜香、」
「…本当、ごめん」
今にも泣きそうな彼女。きっと、何度も自分を責めたんだと思った。
何かに胸を強く噛まれるように、ずくりと痛む。…痛い。