涙空
▼空想
「佳奈って夢とか願望だけで終わりそうだよね」
「いきなりそれを言われる私ってなに」
今日は比較的涼しいかもしれない。開かれた窓から入る風を受けながら思った。
…唐突にそんなことを口に出した怜香は、真っ直ぐに私を見ていた。
「…唐突すぎるね」
そう言うと、「唐突にそんなこと思ったから」怜香はいつも通りに淡々と返してきた。
いや、さばさばとしてる怜香にしては具体的な悪口な気がするけど。
思わず苦笑い。…いつにも増して酷いな、おい。