涙空
怜香が苦しんで、後悔したところで。私の亡くした人は帰ってくるの?
帰って来てくれるの?
そうじゃないでしょう?もう、会えないのはわかってるんだよ、私。
亡くなった人にはもう会えない。聞き分けの悪い私でも、そんなのとっくの昔に理解したこと。
ねえ怜香、もうわかってるんだよ、私。お母さんがいなくなったことは。
「…私言ったじゃん。怜香は悪くないって」
「だけど、」
「怜香、そんなの私だって私の母親だって、望んでない」
「、」
怜香が顔を歪める。
今にも泣きそうだった。