涙空
「え?」
言われた言葉に頭を両手で抑えたまま見上げる。
「野崎ってアホなの?」そんな私を見ながら夏樹君が一言。
アホ?
まあ確かに否定も出来ない―――…
「って、おい。アホっておい」
「だっておま…自分からこの状況つくっといてそれはないだろ…」
「すみませんね」
確かに私が悪いけど。だからって「アホなの?」はない。それはないよ夏樹君。
ってこらこらこら。なに溜息ついてんの。溜息つきたいのは私の方なんだけどちょっと。
「なに睨んでんだよ」
「なに溜息ついてんの」
「だって野崎がさあ…。はああああ」
「目茶苦茶カンに障る溜息つかないでくれますか!?」
「あ、悪い悪い」
「反省してないよね!まっっったく!」
郁也の相談するより夏樹君が相談しにいくべきだよね。自分の性格を。
私が言えたことじゃないけどね。
「で?」
「…え?」
「郁也だよ、郁也。なにが気になるの」
「…」