涙空
私はどうしていれば良かったのかなんて、今更過ぎてわからない。
わからないよ。どうしていれば良かった?
「わかんない」
ああもう、苛立つ。自分自身が、嫌になる。
枕に顔を突っ伏した。
嫌だ、こんな自分が。
――――そのとき。
がちゃんと、音をたてて部屋の扉が開いた。
思わずびくりと肩を上下させて、枕に突っ伏していた顔を上げた。
「ちょ、ノックくらいしようよ」
「あ、ごめん」
「軽いな、お父さん、軽すぎるよ」