涙空
お父さん
時間は経って昼休み。がやがやと教室の中は騒がしくなる。
私と怜香は並んで廊下に出た。手には昼食を持って。
「あーあ。あの教師って一々話が長いから嫌いなんだよね」
「確かに長いね」
さっきの授業に出てきた担当教師のことを口に出した怜香は、嫌そうに顔を顰ている。
その先生はべらべらと話が長くて、鐘が鳴ってもすぐに授業が終わることは滅多にない。
しかも四時限目と言ったら皆昼休み目前でお腹を空かせてるわけで。誰ひとり集中して世間話なんかに耳を傾けようとはしていない。
それよりも苛立ちに顔を歪めてるに違いない。