涙空
「佳奈の父親って歳いくつ?若いよね」
「詳しい歳は知らない。若い?」
「あたし最初見たとき兄弟とか親戚かと思った。父親には見えない」
「若い、かな」
「見た目が若い」
言われてみれば、まあそこそこ若いかもしれないな。
私も老いてから若々しく見えるといいんだけど。…遺伝してて欲しい。そこだけでいいから、せめて。
「佳奈の父親って優しそうだよね」
端で口にお菜を運びながら、怜香は私に言った。
「優しいかもね。昨日頭撫でられたよ」
「溺愛し過ぎてる」
「流石にここまで来ると気味が悪いよね」