涙空
「…これで満足?」
「、そういうことを聞かないでくれれば満足です…っ!」
恥ずかしさで死ねる。郁也の肩に顔を埋めて隠した。
確かに、怜香の言いたいこともわかる気がする。息苦しいことには、変わり無いかもしれない。
「…佳奈」
「…え」
「って呼ぼうかな。これから」
「でええええ!?それ、結構な重大発表だよ、郁也!?佳奈って…名前で呼ぶの!?」
「じゃあ呼ばない」
「呼んで…!」
ムードもなにもかもぶち壊し。すべての原因は郁也の発言、だ。
思わず埋めていた顔も上げた。赤かろうが青かろうが関係ない。
「…顔真っ赤」
そう馬鹿にしたように郁也に言われたけど、今はそれどころじゃない。