涙空
「あ、ていうか、それよりもさ!見てみてこれ、上手く出来てない?」
「ハンバーグ、朝から作ったの?」
「作ったよ。少し焦げてるけどさ、私にしては上出来だと思うんだよね」
「…そうだね」
ぱくり、口に運んだハンバーグは、塩気が強い気がした。
しょっぱい。…なんでだろう。
「…聞かない方が、良かったかもね」
「なんで怜香がそんな顔するの。大丈夫だよ、ハンバーグがちょっとしょっぱかっただけだから」
へらり、笑う。
怜香は、笑わなかった。