涙空
▼無碍
―――――…
「…野崎お前、これはないだろ」
「誠に申し訳ございません」
「三つ指しろとは言ってないけどな。…お前、数学がこれだと志望した進路は難しくなるぞ」
「いやはや、それは重々わかってはいるんですけども…」
「わかってるなら実行しろ。行動に移せ」
言いながら、ぺらぺらと宙に数学の答案用紙を踊らせる担任。
ぺらぺらと紙の角度が変わるたびに赤ペンで書かれた点数が見えるもんだから、流石に溜息がつきたくなる。
「いやもう、本当すみません、先生」
「だからな、俺が言いたいのは行動に移してくれってことなんだよ」
「…行動ですか」