涙空
「…そりゃお前、今回のテストで俺が事前に範囲だのなんだの細かく言ってやってたのに23点なんて点数取ったのお前だけだったからだよ」
「ええ、またまたあ。そんなの有り得ないですよ先生。だってこのクラス何人いると思ってるんですか。なにも赤点取ったの私だけなわけじゃないでしょ」
へらへらと笑いながらそう言った。また、聞こえたのは呆れたような盛大な溜息で。
「お前だけだわ。こんな頭の回転がおっそいのはよ」
「ちょ、いた、痛いんですけ、痛いっつの!」
「痛みは感じるんだけどなー」
「手を離せや」
超痛かったんですけど。いきなりバシバシと頭を叩かれた。
そりゃ私でも痛みは感じますけども。じんじんと脈打つ痛みに顔を顰た。