涙空
ごつん、机にぶつかる勢いで郁也に向けて頭を下げた。
―――――非常に申し訳ないことに。
わざわざ毎日、放課後と休日に足を運んだ郁也の家での勉強会だったんだけど。
…郁也の言ってる数式が呪いの呪文か子守唄にしか聞こえなかった。
「野崎、たまに寝てたよな」
「ね、寝てないですよ」
「…あれ携帯で撮ったけど。寝てなかったんだ?へえ。ばらまいて良い?野崎の変顔」
「寝てたよごめんね!でも仕方ないんだよ…!あれは郁也の言葉がララバイに聞こえて…!」
「ララバイとか意味不明なワード出すなよ。率直に子守唄って言えばいいだろ」
「カッコつけてみたかったんです」