涙空
「悔しい…」
「おーそうかそうか。ならお前も悔しさをバネに頑張るんだな」
「…ていうか先生、なんで私呼び出されたんですか」
見上げた先の担任は、みるからに気だるそうに頬杖をつきながら私を見ていた。
桐谷 凜という名前の彼は去年この学校に来た、女子からの人気が物凄く強い人だ。
まあ確かに顔は整ってるかもしれないけどさ。口が達者なんだよね。教師なのに。
「…進路だよ、進路」
「…なんで進路?まだ進路相談する時期じゃないですよね」
「お前の場合は別枠」
「特別扱い?」
「悪い意味で、だよ。それくらい察しろや」