私を愛して
プーっプーっっと携帯から音が漏れている
三月が切ったようだ
気まずい空気が流れている。
紘ちゃんはなんでなのとポツリとつぶやいた
「麻耶さん…私結婚まだ嫌です…好きな人も作ってないし、デートもしたことないし…まだ…やりたいことがあるんです…」
「…紘ちゃん…それ…相手俺じゃだめなのかな?」
紘ちゃんは涙目で俺を見る
そ、そんなにこの戦略結婚が嫌だったんだ。
「私のためにしてくれるんですか?」