恋が生まれる瞬間
桜はあっという間に花を散らし、すっかり緑一色の木になっていた。



私は、人付き合いの上手な真由ちゃんのおかげで、クラスの子達とも仲良くなることができてきた




「里香、ちょっとボーッとし過ぎ。今の話聞いてた?」



顔の前で、手をヒラヒラさせてるのは、杏子ちゃん。




「あ、ごめん。駅前のパン屋さんまでは聞いてたんだけど」





必死で謝る私に「もぉ、この子はホントに」と言いながらも、もう一度話してくれる杏子ちゃんは、クラスでもお姉さんキャラだ。

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