恋が生まれる瞬間
「あ、でも南が最後のレースの応援に来てほしいって言ってたよ」

「そうだった、そうだった」と杏子ちゃんも頷いている。


「それくらいかなぁ、今年の夏」


「そーだねー」




再びハァーッと溜息が洩れる。




「ねぇ、せっかくだから、その日1日くらい羽根伸ばさない?終わったら南も誘ってパーっと」



突然真由ちゃんがテーブルをバンっと叩きながら言ったので、私は持っていたスプーンを落としてしまった。
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