恋が生まれる瞬間
「へ?あ…はい……そうします!」



恥ずかしさで、一層赤くなる顔を、両手で挟んで隠す私を余所に、「かわいいわねぇ。戸田さん」とクスクス笑う先生。





「戸田さん、気をつけなさい。あなたみたいな子、男の子達のツボだから」


「……」



驚いて何も言えない私の顔を見て、今度はハハハと声に出して笑う先生。




「ごめんごめん。ゆっくりしていってね」





目じりに溜まった涙を指で拭いながら先生はベットのある部屋へ消えた。



「先生…」
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