恋が生まれる瞬間
一人になって静かになった部屋で、やっと落ち着いて自分の気持ちと向き合える気がして、ゆっくりと目を閉じる。



一番先に浮かんだのは、ついさっき見た鳴瀬君の困ったような、悲しそうな顔。





その顔を思い出すだけで、ギューっと胸が痛む。

ウソでも「見つけた」って言えば良かったのに…





自分に自分でイラっとして、思わずパチンと頬を打った。



「きゃっ!」



思った以上に力強く打ったために、バランスを崩してして、ガタンと椅子から転げ落ちてしまった。
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