恋が生まれる瞬間
「俺、退部届出したんだ。まぁ、保留にされたけど。

そんな時、体育祭で走るお前をまた見た。お前あん時みたいにスゲー楽しそうに走ってて、フォームとかグチャグチャだけど、風に乗って飛んでるみたいに見えた」




「……うん」




「俺はさ、またお前に救われたんだよ」

「えっ?」



「楽しそうに走ってるお前見て、また走りたいって思った。走ってる俺を見てもらいたいってさ…」





「…えっ?」


今、なんだかもの凄く嬉しいことを言われたような……




「鳴瀬君、もう一回言って!よく聞こえなかった」






見上げた鳴瀬君の顔は、プイッと逸らされて「もう2度と言わない」って…
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