恋が生まれる瞬間
「あ、こんばんは。あの、すみません待たせちゃって…」



恐縮する私に、お兄さんは「ホントにかわいい」と頭を撫で撫でしながら言った。



そんなお兄さんの笑顔はやぱり鳴瀬君にそっくりで、ドキドキしてしまう。






「えー、赤くなっちゃって、ホントかわい過ぎて、連れて帰りたくなっちゃう」



今度は私のほっぺをプニュプニュと摘まみ始めた。



「アハハハ…お兄さん…」




もの凄く困っている私を余所に、お兄さんは「もう一回お兄さんって言ってみて」と更にエスカレートしている。
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