恋が生まれる瞬間
「ちょっと、それ以上苛めないでくれる?」

鬼のような顔で、お怒りモード全開の鳴瀬君がその手をパシンと払った。




「痛ぇ。いいじゃん、まだお前のものじゃないだろ?ね、戸田さん」




まるで鳴瀬君を挑発するように私に同意を求めてくるお兄さん。


顔は似てるのに、キャラが違いすぎる…





「アハハ、お兄さん。ちょっと困るかもしれないです…」




やんわりと断られたお兄さんは、「そうなのぉ?」とシュンと項垂れてしまった。


すみませんと謝る私に「お前が気にするな」とペチンとおでこを叩かれた。

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