恋が生まれる瞬間
そんな私を、二人とも「えっ?」と驚いた顔で振り向く。



「だ、だから、あ…あの、ふ、二人に話しがあって……」



勢いよく話し始めたせいで、最初の方に吸った息を大かた使ってしまって、最後の方は、なんだかゴニョゴニョと口の中までしか届かないくらい小さな声になってしまった




「そっか…じゃあ、ちょっと上行こうか」

「そうだね、ここじゃゆっくり聞けないし」


二人はにっこりとやさしい笑顔で、私の手を引いて校舎の中へと向かった。
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